この記事では伏見稲荷大社の境内にある宿泊施設・参集殿についてくわしくご紹介します。
参集殿は伏見稲荷大社の参拝客ならだれでも宿泊することができますが、旅行会社のパンフレットやホテル予約サイトはもちろん、伏見稲荷大社の公式サイトにも情報がないので、伏見稲荷大社の境内に宿泊施設があることは一般的にはあまり知られていません。
伏見稲荷大社の参集殿がいったいどんな施設なのか、実際に宿泊して来たので写真付きでくわしくレポートしますね。
参集殿閉館のお知らせ
伏見稲荷大社の参集殿は残念ながら建物の老朽化のため2020年5月6日(水)をもって閉館しました。
2020年11月3日〜2021年11月30日の期間で建物の解体工事が行われます。

参集殿ってどんな施設?
伏見稲荷大社を参拝する人のためのレストラン・宿泊施設。伏見稲荷大社が経営しています。建物そのものはとても古いですが、低価格で利用できるのが魅力的な施設です。

伏見稲荷大社の公式サイトには参集殿は「喫茶・食事」の場所として紹介されており、実際に伏見稲荷大社の参拝客・観光客はレストラン(食堂)を利用することが多いと思います。

参集殿は旅行会社のパンフレットやホテル予約サイトには掲載されていないので、一般的には宿泊施設としては知られていないかも知れませんね。

参集殿の宿泊料金は? 宿泊予約をする方法は?
宿泊料金は1泊3,000円強ととてもリーズナブルな料金設定。宿泊予約は電話でのみ受け付けています。

伏見稲荷大社の参集殿の宿泊予約は電話でのみ受け付けており、ホテル予約サイトなどには掲載されていません。
電話番号: 075-641-0237
実はわたし自身は伏見稲荷大社へ参拝した時にふと参集殿に立ち寄り、現地で予約をしました。1月上旬に一番早く宿泊できる日ということで予約できたのが2月中旬だったんですね。
宿泊料金(素泊まり)の内訳はこんな感じです。
参集殿の宿泊料金(ひとり)
- 宿泊料: 3,100円
- 消費税: 248円
- 宿泊税: 200円
- 合計: 3,548円
もしかすると宿泊する時期や部屋によって宿泊料金は多少異なるかも知れませんが、料金表がなく、参集殿の受付で聞いてもわかりませんでした。
参集殿の場所は? 行き方は?
参集殿は伏見稲荷大社の境内にあります。表参道に建っている2つ目の大きな鳥居の南側にある建物が参集殿です。
JR奈良線・稲荷駅の改札を出て目の前にまっすぐに伸びているのが伏見稲荷大社の表参道です。
表参道には大きな鳥居が2つ建っており、参集殿へは2つ目の鳥居を右へ曲がります。

駐車場の奥に見えている建物が参集殿ですね。

参集殿の部屋の様子は? 備品・アメニティは?
参集殿は建物そのものが古く、一般的なホテルや旅館というイメージを持っているとちょっとビックリするかも。ノスタルジックな昭和の雰囲気を楽しみましょう!

1Fの受付でチェックインを済ませます。宿泊料金は前払いで、支払い方法は現金のみです。クレジットカードは使えません。
門限や入浴時間などの注意事項があるので気をつけてくださいね。
宿泊時の注意事項
- 部屋の使用時間: 16:00〜翌朝10:00
- 門限: 22:00(翌朝6:00まで外出できません)
- 入浴時間: 16:00〜21:00
参集殿の客室は9畳一間の和室です。

部屋も全体的には古びていますが、畳は張り替えられていて、清潔感がありましたよ。

部屋の奥には布団と浴衣、タオルハンガーも置かれていました。

布団・浴衣
布団は敷き布団とかけ布団が2種類用意されていましたよ。浴衣は一般的なものですね。

布団を敷いてみるとこんな感じです。

部屋の入り口付近に押入れがあり、座布団や布団・浴衣が入っていました。

テレビ・エアコン・電源
部屋に置かれているテレビは無料で視聴できます。

エアコンは壁に埋め込まれているタイプのもので、温度や風量の調整はできませんでした。ですが、快適に過ごせる室温でしたよ。

複数名で宿泊する時にちょっと不便かなと思ったのが電源です。部屋の中に電源が2つしかないんですよね。
一応、電源タップはありましたが、やっぱり複数のプラグを利用するにはちょっと使い勝手が悪いと思います。

ちなみに部屋にある電気のスイッチも1箇所です。こういうタイプのスイッチはあまり見かけなくなりましたよね。

テーブル・お茶
テーブルの上にはポットとお茶・急須が用意されていました。

ポットのデザインも昭和的でなつかしい感じですね。

アメニティ
一般的なホテルに用意されているアメニティは一切ありませんので気をつけてくださいね。
わたしは歯ブラシセットをJR稲荷駅の近くにあるコンビニ(デイリーヤマザキ 伏見稲荷大社前店)に買いに行きましたよ。
鍵・セキュリティ
建物そのものが古いのでセキュリティ面ももちろん最新のものではありません。ちょっと不安な気持ちになってしまうかも知れませんね…
部屋の鍵はこういうタイプのもの。

部屋の内側にあるドアノブの真ん中の突起部分を押した状態でドアを閉めると施錠されるんですね。

外出時には貴重品を持って行くか、貴重品入れの中にしまっておきましょう。100円で利用できます。

部屋からの眺め
わたしが宿泊した部屋の窓は西側に面していたので、表参道の第一鳥居が見えましたよ。

夜になると京都タワーもはっきりと見えました。

参集殿のフロアマップ・館内の設備
参集殿の2階〜4階が客室のあるフロア。館内は全体的に少し暗めです。

フロアマップ(2階〜4階)
1階は受付と食堂があり、2階〜4階が客室です。
エレベーターはなく、フロア間の移動は階段です。

こちらは2階のフロアマップ。左上に「神官室」というのがありますね。

2階には真っ赤なソファが置かれています。伏見稲荷のカラーをイメージしていたのかと思いますが、ちょっと落ち着けない感じがしました…

2階の通路の壁には伏見稲荷大社の古い写真が何枚か飾られていました。内容がわかる写真もあれば、説明を聞いてみたいものもありました。
これは初詣の表参道でしょうか?

こちらは社務所の横にある鳥居です。鳥居の右には権殿、階段の上には玉山稲荷社があるのがわかりますね。

3階のフロアマップです。

3階は客室のみ。通路の雰囲気は2階と同じ感じですね。

こちらは4階のフロアマップです。4階は客室が2部屋のみ。

最上階の2部屋なのでなにか特別な感じはしますが、外からはわかりませんね。

屋上には出られないのが残念ですが、稲荷山が近くにあるように見えます。左の方には楼門が見えています。

大浴場(お風呂)
わたしが参集殿の中で一番きれいに感じたのが大浴場です。
大浴場は別の建物になっており、2階から行くことができるんですね。

2階から見た大浴場です。

階段で1階に降りて大浴場へ向かいます。通路には屋根はもちろん、防風のためのパネルも設置されていたので、特に寒さは感じませんでした。

手前が男湯で、奥が女湯になっています。

スリッパを脱いで大浴場へ。

洗顔スペースです。

大浴場にも綿棒などのアメニティグッズはありませんでしたが、ドライヤーは設置されていましたよ。

脱衣所です。脱衣かごがきれいに並べられています。

湯船は縦型のものが1種類。露天風呂やサウナなどはありませんが、清潔感がありゆっくりと過ごすことができました。

写真では暗く見えますが、床や壁のタイルは館内のほかの設備とちがって新しく、清潔感がありました。

ただ、大浴場の備品は固形のせっけんだけで、シャンプーやリンス、ボディソープなどはありません。
トイレ・洗面所
参集殿の客室にはトイレや洗面所がなく、各フロアにある共同のものを利用しないといけません。
正直なところ、夜中にトイレへ行きたくなった時には不便さを感じましたね。

男子トイレです。便器そのものは新しく、トイレの清掃も行き届いています。

洋式トイレは暖房便座やウォッシュレットではありませんでしたが、清潔感はありました。

和式トイレはこんな感じですね。

トイレとは別に洗面所があります。

洗面所の窓からは伏見稲荷大社の楼門や第二鳥居が見えていました。なかなかこの角度から見る機会はないので、新鮮でしたね。

コインロッカー
コインロッカーはだれでも利用できる1階のほか、2階・3階の通路にも設置されています。部屋のセキュリティが気になる場合はコインロッカーを利用すると良いですね。

参集殿の食事は?
参集殿の食堂は夜は利用できません。京阪・伏見稲荷駅の周辺や本町通りにあるお店を利用しましょう。

参集殿には食堂があり、日中は参拝客が利用することができますが、夜は営業していません。
なので、参集殿の宿泊客は周辺の飲食店へ出かけて夜ご飯を食べないといけないんですね。ですが、実は伏見稲荷大社の周辺のお店は夜に営業しているところはそんなに多くはありません。
わたしは本町通りにある「可乃古」へ行きました。お店の雰囲気や接客が良くて、料理も美味しいのでおすすめですよ。

ちなみに、JR奈良線を使うと京都駅にも5分で到着するので、京都駅の周辺へ食事に出かける宿泊客もいるそうですよ。
京都駅周辺ならお店の選択肢が広がりますね。

朝食は参集殿の食堂を利用することができますよ。1食700円です。

参集殿のおすすめ度は?
伏見稲荷大社の境内に泊まるという体験や昭和のノスタルジックな雰囲気を楽しみたいなら一度は宿泊してみるのも楽しいかも。宿泊施設としての利便性やクオリティを求めるなら京都駅周辺の方が選択肢が広がります。

参集殿の概要
住所 |
〒612-0882 京都府京都市伏見区深草藪之内町68 |
---|---|
電話番号 |
075-641-0237 |
チェックイン |
16:00 |
チェックアウト |
10:00 |
予約方法 |
電話予約(075-641-0237) |
大浴場(お風呂)の利用時間
大浴場の利用時間は16:00〜21:00です。夜ご飯を食べに出かける場合は早めに戻って来るようにしましょう。

夜間は外出できない
参集殿は門限が22:00で、翌朝6:00まで外出はできなくなります。

館内には自動販売はありますが、それ以外に必要なものがあれば門限までに近くのコンビニで買っておきましょう。

参集殿|フォトギャラリー




この記事の主な更新履歴
この記事の情報は更新時点のものです。
- 2019年2月: 公開
- 2021年4月: 解体工事情報の追記