白狐社|稲荷大神のお使いである白狐を祀る伏見稲荷大社の末社

伏見稲荷大社の神蹟・摂社・末社・パワースポット

この記事では伏見稲荷大社の境内にある白狐社びゃっこしゃについてくわしくご紹介します。

全国に30,000社以上あると言われている稲荷神社の総本宮が京都の伏見稲荷大社です。

伏見稲荷大社の境内は広く、主祭神・宇迦之御魂大神うかのみたまのおおかみを祀る本殿のほか、たくさんの摂社せっしゃ末社まっしゃがあります。

その伏見稲荷大社にある白狐社びゃっこしゃは稲荷大神の眷属けんぞく(神様のお使い)である白狐びゃっこをお祀りしている末社まっしゃのひとつです。

白狐社びゃっこしゃとは? 歴史・言い伝え

伏見稲荷大社の境内にある白狐社びゃっこしゃには稲荷大神の眷属けんぞく(神様のお使い)である白狐びゃっこが祀られています。江戸時代の中期に建てられた社殿は国の重要文化財に指定されています。

白狐社(重要文化財)
白狐社(重要文化財)

白狐社びゃっこしゃの御祭神は命婦専女神みょうぶとうめのかみ

白狐社びゃっこしゃの御祭神は命婦専女神みょうぶとうめのかみで、白狐びゃっこのことです。

伏見稲荷大社をはじめ稲荷神社では狛犬ではなくきつね像を見かけますよね。

楼門前のきつね像
楼門前のきつね像

一般によく稲荷神社の神様(お稲荷さん)=きつねと思われがちですが、稲荷大神はきつねではなく、きつねは稲荷大神のお使い(眷属けんぞく)なんですね。

稲荷大神の眷属けんぞくであるきつねは白狐びゃっこと呼ばれ、真っ白な姿をしています。

内拝殿ないはいでん(お参りをするところ)にも白いきつねの彫刻が見られます。

内拝殿の白狐の彫刻
内拝殿の白狐の彫刻

この白狐びゃっこの「白」は神様と同じく見えない存在=透明であることを表現しているそうですよ。

白狐社びゃっこしゃ|伏見稲荷大社公式「観光音声ガイド」

白狐社びゃっこしゃ伏見稲荷大社公式の「観光音声ガイド」でも紹介されています。(「観光音声ガイド」は日本語・英語・中国語・韓国語の4ヶ国語対応です。)

白狐社びゃっこしゃの前に設置された案内板のQRコードを読み込むとアクセスすることができます。

伏見稲荷大社の「観光音声ガイド」
伏見稲荷大社の「観光音声ガイド」

「観光音声ガイド」へアクセスする

白狐社びゃっこしゃの場所・行き方は? 伏見稲荷大社の本殿からはどれぐらい?

白狐社びゃっこしゃは伏見稲荷大社の本殿から千本鳥居へ続く参道の途中にある小さな社殿です。本殿からは3分ほどで到着します。

白狐社の場所

白狐社びゃっこしゃは伏見稲荷大社の本殿(内拝殿ないはいでん)でお参りをしたあとに訪れると良いでしょう。白狐社びゃっこしゃは有名な千本鳥居へと続く参道沿いにありますよ。

伏見稲荷大社の内拝殿
伏見稲荷大社の内拝殿

白狐社びゃっこしゃへ行くにはまず本殿の北側(本殿に向かって左側の参道を進みます)にある鳥居をくぐり階段を上がります。

社務所の横にある鳥居
社務所の横にある鳥居

階段を上がると正面に玉山稲荷社たまやまいなりしゃがあります。ここを右に曲がります。(左へ行くと大八嶋社おおやしましゃ産場稲荷さんばいなりです。)

玉山稲荷社
玉山稲荷社

ちなみに、元禄7年(1694年)までは白狐社びゃっこしゃはこのあたりに建てられており、のちに現在の場所へ移築されたようです。

玉山稲荷社たまやまいなりしゃの前を右に曲がると、さらに階段が続きます。この先に有名な千本鳥居があるので、たくさんの観光客がこちらへ向かって歩いて行きます。

千本鳥居へ続く階段
千本鳥居へ続く階段

白狐社びゃっこしゃはこの階段を上がったところにあります。

階段を上がると白狐社がある
階段を上がると白狐社がある

階段を上がったところには2つの社殿が建っていますが、左側の小さな社殿が白狐社びゃっこしゃです。(右側の社殿は奥宮おくみやです。)

小さな社殿が白狐社
小さな社殿が白狐社

白狐社びゃっこしゃの社殿は小さく、千本鳥居を目指して歩いているほとんどの観光客には気づかれることさえありません。

ですが、白狐社びゃっこしゃには白狐びゃっこをお祀りしている社殿ならではのおもしろい特徴があるんです。

白狐社びゃっこしゃの見どころ

白狐社びゃっこしゃは小さな社殿ですが、白狐びゃっこが社殿に出入りするためとも言われる抜け穴のある興味深い社殿です。

白狐社の裏には白狐の置物が並んでいた
白狐社の裏には白狐の置物が並んでいた

白狐社びゃっこしゃの左の側面を見てみると下の方に1箇所小さな穴があるのがわかります。

白狐社の側面(左側)
白狐社の側面(左側)

近くで見るとたくさんのドングリが転がっていました。

ドングリが転がっている
ドングリが転がっている

別の日にはドングリだけでなく、お酒や油揚げが置かれていることも!

お酒や油揚げが置かれていることもある
お酒や油揚げが置かれていることもある

実はこの穴は白狐びゃっこが社殿に出入りするための通り道と言われているんです。

お酒や油揚げは白狐びゃっこへのお供え物というわけなんですね。ドングリもたまたま転がっていたわけではありません。

白狐社びゃっこしゃの裏へまわってみると、参拝客が置いたであろう白狐びゃっこの置き物が並んでいました。

白狐の置物が並ぶ
白狐の置物が並ぶ

こちらにもお酒や油揚げが供えられていました。

お供え物のお酒や油揚げ
お供え物のお酒や油揚げ

ちなみに白狐社びゃっこしゃの前にある小さな社の中には木製のきつね像が入っています。

白狐社の前の小さな社
白狐社の前の小さな社

伏見稲荷大社の境内にはたくさんのきつね像がありますが、木製のきつね像はめずらしいです。

木製のきつね像
木製のきつね像

近づいて見ると美しい木目がはっきりと見えますよ。

美しい木目
美しい木目

白狐社びゃっこしゃの概要

白狐社びゃっこしゃの概要です。

住所

〒612-0882 京都府京都市伏見区深草藪之内町68

ご祭神

命婦専女神みょうぶとうめのかみ

例祭日

1月4日 10時30分

格式

末社まっしゃ

創建・建立

寛永年間(1624年〜1644年・江戸時代初期)建立

ご利益

拝観時間

24時間参拝可能

拝観料

無料

白狐社びゃっこしゃの駒札・立て札・由緒書き

白狐社の駒札
白狐社の駒札

末社 白狐社びゃっこしゃ(重要文化財)

  • 御祭神 命婦専女神みょうぶとうめのかみ
  • 例祭日 一月四日 午前十時三十分
  • 構造 一間社春日造 檜皮葺
  • 建立 寛永年間(一六二四〜一六四四)

この社殿は、稲荷大神の眷属を祀る唯一の社で、古くは「奥の命婦」「命婦社」とも称された。

元禄七年(一六九四)までは現在の玉山稲荷社あたりに祀られていた。

白狐社びゃっこしゃ|フォトギャラリー

白狐社の鈴
白狐社の鈴
白狐社の側面
白狐社の側面
白狐社
白狐社
白狐の置物
白狐の置物

この記事の主な更新履歴

この記事の情報は更新時点のものです。

  • 2021年3月: 公開