伏見稲荷大社の参拝方法(表参道〜本殿)

伏見稲荷大社ってどんなところ?

この記事では伏見稲荷大社の参拝方法についてくわしくご紹介します。

伏見稲荷大社は一年を通してたくさんの人々が訪れる、京都でも人気の観光スポット。国内だけでなく、海外からも多くの観光客がやって来ます。

伏見稲荷大社には商売繁昌をはじめさまざまなご利益がありますが、近年はご利益そのものよりも千本鳥居などの幻想的な雰囲気を目当ての観光客も多いのかも知れません。

ですが、伏見稲荷大社は神様がご鎮座される神聖な場所です。ぜひ正しい方法を覚えて神様に失礼のないよう、伏見稲荷大社を参拝してくださいね。

伏見稲荷大社の本来の参拝とは?

本来、伏見稲荷大社の参拝は本殿だけでなく、稲荷山を登り点在する神蹟地をめぐります。

伏見稲荷大社と稲荷山
伏見稲荷大社と稲荷山

現代では伏見稲荷大社の本殿は稲荷山の麓に建てられていますが、伏見稲荷大社の神様である稲荷大神様が降臨したと言われるのが稲荷山なんです。

稲荷山は標高233メートルの比較的低い山ですが、山頂まで参道が整備されているので、ふつうの服装・靴で登ることができます。

稲荷山には10,000基以上の鳥居があると言われており、参道の鳥居は山頂まで続いています。

稲荷山に点在する神蹟を参拝する
稲荷山に点在する神蹟を参拝する

稲荷山の山頂は一ノ峰と呼ばれ、上之社の神蹟地があります。決して華やかではありませんが、むしろ霊験あらたかな雰囲気が流れています。

稲荷山山頂・一ノ峰の上社神蹟
稲荷山山頂・一ノ峰の上社神蹟

伏見稲荷大社へ参拝に来られたら稲荷山にも登ってほしいのですが、稲荷山の山頂を往復すると少なくとも2時間以上はかかります。

なので、もしも稲荷山に登る時間がなかったとしても、伏見稲荷大社の神様が降り立ったのは稲荷山というのはぜひ覚えておいてくださいね。

白狐のあこ

それでは本殿までの参拝方法をご紹介しますね!

[参拝方法1]伏見稲荷大社の入口で一礼

神社の境内に入る時には入口=鳥居の前で一礼を。伏見稲荷大社の場合、表参道に建つ大鳥居の前で会釈しましょう。

伏見稲荷大社の表参道
伏見稲荷大社の表参道

伏見稲荷大社の入口はどこ?

伏見稲荷大社には表参道と裏参道の2つの参道があり、どちらも大きな鳥居が建っています。

こちらが表参道です。表参道は2つの大きな鳥居や楼門、本殿が一直線に並んで配置されています。

表参道(本宮祭の日)
表参道(本宮祭の日)

こちらが裏参道の入口。表参道ほどではありませんが、こちらにも大きな鳥居が建っているので、なにも知らないとそのまま裏参道に入ってしまいますね。

表参道の入口はこの手前を右に曲がって(南へ)100メートルほどのところにありますよ。

裏参道(本宮祭の日)
裏参道(本宮祭の日)

表参道の歩き方

参道の中央は神様が通る道なので歩かないようにしましょう。

伏見稲荷大社の表参道
伏見稲荷大社の表参道

(実際には多くの参拝客が参道の中央を歩いていますが…)

[参拝方法2]手水舎ちょうずしゃで浄める

本殿へ参拝をする前に楼門ろうもんの手前にある手水舎ちょうずしゃで心身を浄めましょう。

手水舎の柄杓
手水舎の柄杓

伏見稲荷大社の手水舎ちょうずしゃ楼門ろうもんの手前にあります。

楼門の横の手水舎
楼門の横の手水舎
白狐のあこ

「手水舎」はいろいろな読み方がありますね。

「手水舎」の読み方

  • ちょうずしゃ
  • ちょうずや
  • てみずしゃ
  • てみずや

手水ちょうずは、神域を訪れる前に川や湧き水で身を浄めていたことに起源があると言われていますね。

手水舎ちょうずしゃには作法が書かれた看板が用意されているので、これを見ながらやってみましょう。

手水のつかいかた
手水のつかいかた

手水ちょうずのつかいかた

  1. 左手を清める
  2. 右手を清める
  3. 左手に水を受け、口をすすぐ。もう一度、左手を清める。
  4. 柄杓ひしゃくをたてて、柄に水を渡し、柄杓を伏せて元の位置に戻す。

柄杓に、直接口を付けない。

[参拝方法3]本殿(内拝殿)での拝礼

本殿の前で鈴を鳴らし「二拝二拍手一拝」の作法で拝礼します。

内拝殿(初詣)
内拝殿(初詣)

伏見稲荷大社の本殿の場所は?

伏見稲荷大社は表参道の入口にある一番鳥居、二番鳥居、楼門ろうもん外拝殿げはいでん内拝殿ないはいでん、そして本殿が一直線に配置されています。(さらに稲荷山の三ノ峰、ニノ峰、一ノ峰までもが一直線なのが興味深いですね。)

手水舎ちょうずしゃで心身を浄めたら、階段を上がり、楼門ろうもんをくぐります。

実はこの楼門ろうもんは豊臣秀吉が天正17年(1589年)に造営したと伝えられる重要文化財なんですね。

楼門
楼門

楼門ろうもんをくぐると目の前に外拝殿げはいでんが見えます。

楼門をくぐる
楼門をくぐる

こちらが外拝殿げはいでん

外拝殿
外拝殿

外拝殿げはいでんはふだんはなにもありませんが、例えば初午大祭の時には奉納品が飾られたり、節分には豆まきが行われたりします。

外拝殿に奉納された京野菜
外拝殿に奉納された京野菜

こちらは節分の豆まきのようす。たくさんの参拝客で賑わっていますね。

左側に見えている建物は内拝殿ないはいでんです。

外拝殿での豆まき
外拝殿での豆まき

参拝の仕方

外拝殿げはいでんを回り込むようにして先に進むと階段の上に内拝殿ないはいでんが見えます。

実は参拝をする場所は本殿ではなく、この内拝殿ないはいでんなんですね。

内拝殿
内拝殿

内拝殿ないはいでんを横から見ると、こんなふうになっているんですよ。

左の建物が内拝殿ないはいでんで、ぴったりとくっつくように建てられている右の建物が本殿です。

内拝殿と本殿
内拝殿と本殿

本殿(実際には内拝殿ないはいでん)の前でいわゆる「二拝二拍手一拝」の作法で参拝しましょう。

本殿での参拝の仕方「二拝二拍手一拝」

  1. 鈴を鳴らします(初詣〜初午大祭の時期は混雑・危険防止のため鈴の緒がはずされています)
  2. お賽銭をそっと入れます
  3. 「二拝二拍手一拝」はまず約90度に腰を曲げ2回深く頭を下げます
  4. 2回拍手をし、心の中で祈願をしましょう
  5. 最後にもう1回頭を下げます

本殿の裏側にもまわってみよう!

内拝殿ないはいでんで参拝をしたら、本殿の裏側にもまわってみましょう。なんと伏見稲荷大社の本殿は裏側にもお賽銭箱があるんです!

賽銭箱
賽銭箱

内拝殿ないはいでんはたくさんの参拝客で混雑していますが、この本殿の裏側で参拝している人はあまりいません。

実際にこの時も本殿の裏側で拝礼している参拝客を見かけましたよ。

なにより内拝殿ないはいでんに比べて、本殿の裏側の方が神様に近いですよね!

本殿の裏側の方が神様に近い!
本殿の裏側の方が神様に近い!

伏見稲荷大社の本殿には五社のご祭神が祀られていますが、裏側から見ると五柱の神様の位置がわかりやすいですね。

五社のご祭神
五社のご祭神

本殿の裏側から見ると左(南)からこのような順番になります。

  • 四大神しのおおかみ: 中社摂社(最南座)
  • 大宮能売大神おおみやのめのおおかみ: 上社(南座)
  • 宇迦之御魂大神うかのみたまのおおかみ: 下社(中央座)
  • 佐田彦大神さたひこのおおかみ: 中社(北座)
  • 田中大神たなかのおおかみ: 下社摂社(最北座)

時間があればこの先の奥社奉拝所(奥の院)から続く、稲荷山の巡拝にもチャレンジしてみてくださいね。

この記事の主な更新履歴

この記事の情報は更新時点のものです。

  • 2019年3月: 公開