この記事では伏見稲荷大社の末社・お産場稲荷についてくわしくご紹介します。
稲荷山のふもとにはおさんば池と呼ばれる池があり、その近くにあるのがお産場稲荷です。
お産場稲荷は名前からも想像できるように安産や子宝のご利益があると言われています。
ですが、実はお産場稲荷は安産・子宝のご利益には直接関係がない参拝客にも人気があるんですよ。その理由とは…
この記事の内容
お産場稲荷とは? 歴史・言い伝え
お産場稲荷は、その昔、稲荷大神の眷属(神様のお使い)であるきつねの夫婦が子を産み、育てたと伝えられている場所。お産場稲荷へお参りすると子宝に恵まれ、安産になるとの信仰があります。
お産場稲荷の敷地は広くはありませんが、その祠は少し変わっています。
まわりと比べてこんもりとなった台地の上に産場大神が祀られているんですね。台地の周囲には12個の狐穴があります。
この狐穴がお産場稲荷での参拝方法に関係があるんですね。
また「さんば」と聞くと一般的には「産婆」という漢字を思い浮かべますが、ここは産まれる場所という意味なので「産場」という漢字になります。
お産場稲荷の場所・行き方は? 伏見稲荷大社の本殿からはどれぐらい?
お産場稲荷は稲荷山のふもとにあるおさんば池の近くにあります。本殿からは徒歩3〜4分ほどで到着します。
本殿からお産場稲荷までの行き方
伏見稲荷大社の本殿からお産場稲荷までは徒歩3〜4分。本殿の北側にある権殿の横の階段を上がります。
階段を上がると正面に玉山稲荷社があります。ここを左へ曲がります。(ちなみに右へ行けば有名な千本鳥居がありますよ。)
参道沿いには「おさんば道」と書かれた石柱がありますね。
ゆるやかな階段を下り、社殿を持たない大八嶋社の前を通り過ぎます。
10メートルほど歩くと左側にカフェ、お茶屋さんが並び、右側には八島ヶ池(おさんば池)があります。その先に見えるのがお産場稲荷ですね。
お産場稲荷に到着しました。
稲荷山を参拝した後にお産場稲荷まで行く場合
稲荷山に点在する神蹟をめぐってから最後にお産場稲荷へ参拝する場合は、三ツ辻で山頂からの参道をそのまままっすぐ下ります。
三ツ辻からは道なりに歩き、荒木神社を過ぎ、しばらく下るとお産場稲荷に到着しますよ。下り道ですが、勾配が少し急なのでゆっくり歩いてくださいね。
裏参道から伏見稲荷大社の境内を通らずにお産場稲荷まで行く場合
もうひとつのルートを紹介しておきます。階段の多い、伏見稲荷大社の境内を避けてお産場稲荷へ行くルートです。
お産場稲荷へお礼参りをする場合はベビーカーを押して行くこともありますからね。
伏見稲荷大社の裏参道から向かいます。
裏参道の途中に石の鳥居があるので、その手前を北へ曲がります。
伏見稲荷大社の境内の北側は住宅街が広がっています。黄色の壁の家の手前を右に曲がります。
伏見稲荷大社の境内のように階段はありませんが、山に向かう道なので坂道になっています。またクルマも通りますので気をつけてくださいね。
お産場稲荷のご利益・参拝の仕方
お産場稲荷には子宝に恵まれ、安産になるというご利益があります。また生命の誕生だけではなく、稲荷山の参拝でのお願いごとが産まれる場としての信仰も!
お産場稲荷の隣にあるのがお産場茶屋です。
お産場茶屋では子宝や安産のお守りや奉納するための絵馬・鳥居を販売していますよ。
- 子宝お守り
- 安産お守り
- 安産帯
- 絵馬
- 鳥居
まずはお産場茶屋でお供え物やロウソクを買ってお産場稲荷でお願いごとをしましょう。
ここまではふつうの神社と変わりませんが、お産場稲荷には独特の参拝方法があります。
お賽銭箱の横をよく見てみると石積みの一部に穴があいているのがわかりますよね。
さらに近づくと穴の上には「一月」と書かれており、穴の中にはお賽銭が入れられていますよね。
実はお産場稲荷の台地のまわりはぐるっとまわれるようになっています。
台地の石積みには1月から12月まで、全部で12個の狐穴があるんですね。子どもの出産予定月の狐穴に向かってお祈りをすると、安産になると言われています。
また、「お産場」には生命の誕生だけでなく、お願いごとが産まれる=かなうという意味合いや新しい自分に生まれ変わる=出世するという意味合いがあります。
なので、お産場稲荷には子宝や安産を願う人だけでなく、稲荷山でさまざまなお願いごとをした参拝客が立ち寄る場所でもあるんですね。
お産場稲荷へのお礼参り
お産場稲荷には安産を祈願するための鳥居だけでなく、お礼参りのための鳥居も奉納されています。
お産場稲荷へ安産のお願いをした人が無事に出産できたことをお産場稲荷に報告し、そのお礼に鳥居を奉納しているということです。
「御礼」と書かれた鳥居はこれから出産をひかえる妊婦さんにも勇気を与えています。
お産場稲荷の見どころ
お産場稲荷には子宝や安産を願う人のあたたかな気持ちが集まっています。
お産場稲荷のこんもりとした台地には拝殿から左まわりに1月、2月、3月と順番に狐穴があり、周囲をぐるっとまわることができます。
お産場稲荷は広い敷地ではありませんが、お腹の中の子どもが無事に生まれてくることを願う親の気持ちを感じることができる空間です。
お産場稲荷の駒札・立て札・由緒書き
ご案内
此の辺りを「お産場」と言います。
この先右側に「お産場稲荷」の神蹟があります。
お山詣り信仰の最後の「お塚」です。
稲荷山を巡拝して祈願した「願い事」が「産まれる場」として昔から多くの人々が参拝しています。
又、こんもりとした台地に「土穴」が十二箇所有り、昔ここで「神の使い」である狐が子を産み、慈しみ育てていたことから、この「狐穴」に祈願すると、無事安らかに産まれると伝えられています。
左側に行くと「お産場池」「大八嶋社」が有り、御本殿への順路です。
お産場茶屋
お産場稲荷の概要
住所 |
〒612-0805 京都府京都市伏見区深草開土口町 |
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ご祭神 |
産場大神 |
例祭日 |
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格式 |
末社 |
創建 |
不明 |
ご利益 |
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拝観時間 |
24時間参拝可能 |
拝観料 |
無料 |
お産場稲荷|フォトギャラリー
この記事の主な更新履歴
この記事の情報は更新時点のものです。
- 2019年2月: 公開